スタートアップするにあたって、まず必要なのは開業資金の調達ではないでしょうか?

少なくとも開業の約3か月前までに、必要とする資金の30%の自己資金を用意しておくとよいといわれています。

そのうえで、手持ちの自己資金だけではちょっと心もとないという方、また銀行などの融資が初めてで不安をお持ちの方などにとっては心強い、個人事業主や起業家向けの助成金や補助金があるのをご存じでしょうか。

国や地方自治体などで様々なタイプの助成金、補助金が受けられる制度があります。起業前や起業後でも申請できますので、積極的に活用されるのをおすすめします!
 
 まず助成金と補助金の違いについて簡単にご説明しましょう。

 助成金とは、おもに厚生労働省が支給する支援金のことで、雇用の安定を目的としています。従業員を雇用する際など、条件を満たせば利用件数の制限もなく助成が受けやすいのですが、補助金に比べると支給される額が低いのが特徴といえます。主な申請場所はハローワークや労働局です。
 一方、補助金とは、主に経済産業省(中小企業庁)が行っており、公益的な事業などへの補助を目的としています。予算が限られているため利用件数に制限があるうえに審査に合格する必要がありますが、支給額が高いためにたいへん人気があります。必然的に倍率も高くなりますので、支給へのハードルが高いのが特徴です。こちらの申請場所は都道府県や市区町村などになっています。
 助成金、補助金ともに支援金の返済は必要ありませんが、高い競争率の補助金にくらべると、助成金のほうは条件さえ合えば支給されるため利用しやすいのでおすすめです。ただし注意しておきたいのが、助成金・補助金ともにすぐには支給されるものではないということです。支給が起業から1年以上経過することもありますので、開業資金は計画的に用意しておくとよいでしょう。

 それではどのような助成金・補助金があるのか、いくつかご紹介します。
 
●中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)
 これから起業を行う方や事業を開始して間もない法人事業主、個人事業主の方が活用できる助成金です。40歳以上の中高年齢者の方が、起業の際に必要な従業員(中高年齢者等)の雇入れを行う際にかかる費用の一部を助成します。またその助成金を受けた後、一定期間経過後に生産性が向上している場合に、別途生産性向上にかかる助成金を支給します。
〈厚生労働省H.P.より〉
URL : https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115906.html

起業の際に支援される助成金はいまのところこれだけのようですが、起業後にも様々な雇用のタイプに応じて助成金が支給されるようです。例えば、「新型コロナウイルスに関する取組」や「労働者の雇用維持」、「離職者に対する再就職支援」等々、それぞれの雇用タイプに応じたたくさんの助成金があります。厚生労働省H.P.に「雇用関係助成金検索ツール」がありますので、ぜひ調べてみてくださいね。
〈厚生労働省H.P. 雇用関係助成金検索ツール〉
URL : https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index_00007.html#ddd

参照: 厚生労働省H.P.
URL : https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index.html

●小規模事業者持続化補助金
 中小企業庁の「生産性革命推進事業」の一環で、小規模事業者を支援するための補助金です。人材不足や働き方改革、被用者保険の適用拡大など度重なる制度変更に柔軟に対応しながら生産性の向上を目的とし、小規模事業主を継続的に支援しています。「生産性革命推進事業」では3つの補助金が申請できます。
『ものづくり補助金』 
 革新的なサービス開発や試作品開発、生産プロセス改善に必要な設備投資等を支援。
 一般:上限1,000万円 グローバル展開:上限3,000万円 ビジネスモデル構築型:上限1億円
 額が大きいため非常に人気があります!
URL : https://seisansei.smrj.go.jp/pdf/0101.pdf

『持続化補助金』
 小規模事業者等が経営計画を作成して取り組む、販路開拓等の取組を支援。
 一般型:上限50万円 低感染リスク型ビジネス枠:上限100万円。
URL : https://seisansei.smrj.go.jp/pdf/0102.pdf

『IT導入補助金』
 バックオフィス業務の効率化やデータを活用した顧客獲得など生産性向上に繋がるITツールの導入を支援。
 通常枠 A類型:30万~150万円未満 B類型:150万~450万円
 低感染リスク型ビジネス枠(NEW) C類型(低感染リスク型ビジネス類型):30万~450万円
 D類型(テレワーク対応類型):30万~150万円
URL : https://seisansei.smrj.go.jp/pdf/0103.pdf

参照: 中小機構H.P. 
URL : https://seisansei.smrj.go.jp/

 小規模事業者持続化補助金は現在まで継続的に実施されている補助金制度で、補助額も大きいため大変人気ですが、そのぶん競争倍率も高くなりがちです。
 
 以上ですが、助成金、補助金ともに毎年定期的に申請が行われるものや不定期なものもあるので、まめに公式サイトをチェックするとことをおすすめします!